生命

変な話、ここ最近、「毎日が楽しい」という感覚があるというのが、本当に久しぶりのことのように感じる。 嫌いなことを嫌いだと表明することに何の罪悪感もない。 好きなものを好きだと主張することに何の躊躇いもない。 分からないことを分からないと伝える…

10月

目まぐるしく時が過ぎていく。 読みかけのまま本棚に仕舞われている哲学書。 殆どオブジェと化したジャズベース。 飲み切れないコーヒーのドリップバッグ。 一目惚れだったはずの日の目を見ないワンピース。 気は進まないが目を通さなければいけない書類の束…

名前

子どもの頃、家の庭で見つけた小さな虫に名前をつけた。これは自分だけしか知らない虫だと、大切に大切に育て見守った。 ある時、家にあった昆虫図鑑を何気なく見ていると、その虫そっくりの虫が、そこにいた。 「 」 私はその虫の名を、図鑑に載っている物…

キリンの絵

幼稚園の記憶で、今でも鮮明に覚えている出来事があります。 好きな動物の絵を描きましょう、という活動の時間で、当時キリンにハマっていた私は、迷わず「キリンを描こう」と思いました。しかし周りを見ると、牛かライオンの絵を描いている子たちばかり。何…